初音ミクはVOCALOIDのキャラクター。人工合成音声で歌を歌うことで有名になって、独特の電子ボイスが印象的ですよね。実はあのような歌い方しかできないのではなくて、あのようなキャラクターを前面に出して個性を表現しているのであって、設定しだいで自然に歌うこともできるんです。
ここ数年、人工音声の社会進出は目をみはるものがあり、気をつけないと本当に人が話していると思ってスルースしてしまうくらい。駅構内のアナウンスはほとんどすべてが人工音声になっています。
といのも、録音設備がなくても音源を作ることができるし、制作にあたってプロフェッショナル技術も不要。プロのアナウンサーや声優との調整も不要だし、人件費もかからない。言い換えると細かな表現をすることができる人など、いわゆる「本当のプロ」しか生き残れない。
これに似たことは写真家やミュージシャンにも言えるのではないでしょうか。特に写真家についてはメカニカルを扱う高度な技術が求められていただけに、それがAIなどで自動調整してくれるのであれば、素人でも「すごい」写真が撮れてしまう。ただ、構図や被写体との関係性、映し出したいテーマなど、究極のプロフェッショナル性が求められる、つまり、ある意味原点回帰というべき現象でしょうね。メカ音痴でも写真家になれる。これはむしろ喜ばしいこと。
さて、初音ミクに話を戻します。
ご存知の方も多いと思いますが、初音ミクは札幌の企業『クリプトン・フューチャー・メディア株式会社』が世の中に送り出した技術であり、商品であり、アートであり、人格でもあります。
また、その流れを汲んで多くのキャラクターが誕生して活躍しています。
初音ミクに関する事業は札幌市もバックアップしています。毎年冬になると運行される「雪ミク電車」についても、札幌市のホームページで広報されています。
市電と沿線地域の活性化を図るため、北海道応援キャラクターである「雪ミク」で装飾した車両を運行する「雪ミク電車2020運行事業」を今年も実施します。
その、雪ミク電車とはラッピング電車で、道外からの人気も高い。
さっぽろ雪まつりの時期と合わせて、『SNOW MIKU 2020』〜「雪ミク(初音ミク)」が冬の北海道を応援するフェスティバル〜も開催されます。
民間事業と公共事業、地方自治と観光といった、様々な立場の人たちがうまくコラボレーションしている事例だと思います。
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