時代に応じて計算に必要なパワーが変わってくる。アスリートでいうと、腕力なのか、握力なのか、瞬発力なのか、それとも動体視力なのか、特定の能力が求められることがある。単純に肺活量があるとか、腹筋・背筋は強い、メンタルコントロールができるといった、基礎体力があるということではない。
2000年より前であれば、パワーの基本である『基礎体力』を指すことが多かった。たとえば、メモリーやディスクコントローラーとのI/Oバスとか、ディスクやメモリーそのもののアクセススピード、プロセッサー基礎演算のスピードなど。いわゆるムーアの法則が話題になっていた時期は重要視されていた。
事務計算であれば四則演算、ERPやBIなど経営向けのダッシュボードであれば比較演算、写真や映像であればビット演算。こういう総合的・一般的なパワーがまんべんなく求められていた。
その後、映像の時代になり、AIの時代になり、事情はだんだんと変わってきた。ディープラーニングはビット演算が極めて重要になる。本来は画像を描画するためのプロセッサー(GPU)がAI向けに利用されるようになった。たいていのAIフレームワークにはGPU演算オプションなるものがついている。劇的に速くなるから。GPUを開発した当初では、NVIDIA(エヌビディア)は想像もしていなかっただろう。一般的なCPU演算能力ではなく、画像描画の能力がAIには必要になる。だから、データセンターでGPUを使うことに対してNVIDIA超過料金を取っている。詳しくは知らないが、なんでも契約外の使用法だからとか。
さて、今は量子コンピュータの時代だとのこと。一度に演算できる単位が異なり、劇的に速くなる。今までのCPUアーキテクチャの概念では理解は追いつかない。実は私も、「文面ではちょっとだけ知っているかも」というレベルで、「感覚的にはほとんど理解できていない」のが実情。勉強しないとイカンですね。
ここでもアメリカと中国のバトルが展開されているが、技術者としてはとても興味深く、応援したいライバル関係。政治や経済は持ち込まないでほしいな。。。
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