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討論AI「Project Debater」のテクノロジーを「Watson」プラットフォームに

 

IBMは討論AI「Project Debater」のテクノロジーを「Watson」プラットフォームに搭載して商用化することを発表した。

新たなNLPエンジンは慣用句や口語表現、会話での言葉遣いの理解が可能になる。このテクノロジーは、顧客対応といった分野だけでなく、センチメント分析でも有用なものとなる。

Project Debaterは2012年から開発が進められている。膨大な量のテキストを取り込んで処理し、特定の話題に関するスピーチを生成し、主張を洗い出して提示し、討論相手のスピーチを理解したうえで反論するよう設計されている。

おそらく社内ツールとして長く使ってきたものなのだろう。

 

そういえば、IBMは『○○ JAM』と名付けて、数万人の社員でオンライン討議するイベントを継続してきたはず。たとえば、2006年に開催されたイノベーション・ジャムの記事があります。

2006年7月、IBMは、コラボレーションによってイノベーションを作り上げる決定的な出来事、それまでで最大規模と思われるオンライン・ブレーンストーミング・セッションを開始しました。そのイベントは、IBM InnovationJam(イノベーション・ジャム)と呼ばれ、2回にわたって行われた72時間セッションには企業67社を含む104カ国から15万人以上の参加者を集めました。
(中略)
外部の参加者を組み入れたという点で、イノベーション・ジャムは革新的なものでしたが、IBM社員にとってジャム・セッションはすでに当たり前のことでした。

 

この記事の中に、2つのジャムのことについて書かれています。

  • 2003年に行われたジャム、“バリューズ・ジャム(ValuesJam)”では、「価値あるイノベーション(Innovation that matters) 」というIBMの基本的な価値が明確にされました。
  • 2001年、IBMは、この信頼をより発展・拡大させていくために、ワールド・ジャム(WorldJam)を取り入れました。ここでは、1980年代のIBM独自のVMフォーラムなどを含むオンライン・コラボレーションや、1990年代後半に行われたIBMリサーチでの、実際に人が集って行われたジャムといった経験が基になっています。

最初は画像や音声がなくても、テキストベースで討議して、それをコンピュータで分析した。そこで集計して見えてきたことについてさらに話し合いを深め、どのように行動していくかを決めていった。社員同士が徹底的にやっている。

 

日本IBMには『ProVISION』という広報誌をがあり、WEBで公開されているため誰でも読むことができる。

 

現実的には企業内部ではいろいろなことが起こっているだろう。しかし、客観的にみるととてもイノベーティブでオープンな会社だと感じられる。

 

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