芸術の世界にもテクノロジーの波が押し寄せている。もちろん今に始まったことではないけれど、今までは人の側にコントロールする「権限が自動的に付与されている」ものであった。
例えばヴァイオリンにしても、弾きこなすためには大変な肉体的苦労と精神的な成熟が求められた。楽器に使われないために。ただ、ヴァイオリンそのものが自動的に音楽を奏でるわけでもなく、脅威にはならなかった。
しかし、AIはちょっと状況が異なる。狡猾なくらいに人間を真似てくる。Jukeboxというアプリがそうである。Fake Music というレベルだが、なんとなくそれっぽい音楽が必要なとき、つまりBGMとしてはこれ以上のものはないであろう。
設立者の一人にイーロン・マスクが名を連ねるNPO団体のOpenAIは、様々なジャンルやアーティストのスタイルに合わせて音楽を自動生成する「Jukebox」のソースコードを公開
本家のサイトは実に機械的というかシステム開発的な香りがする。今風のオープンソースの香り。
Paper の文字をクリックすると PDF形式の論文(20ページ)が読めて、Code の文字をを押すと GitHub のページに飛ぶ。
GitHub上に無償で公開されており、ある程度の技術がある人ならすぐに使いこなせると思う。音楽にもAIの波がきているが、まだまだ演奏の領域ではなく、作曲・編曲の部分。「こうすると受ける」とか「○○風が流行りだ」みたいに、それこそ Fake な創作活動をしてきた人たちには、こうした「Fake AI」にはかなわないだろう。音楽の世界が研ぎ澄まされていく良いチャンスだと思う。
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