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『音楽の正体』

『音楽の正体』渡邊健一著 という書籍がある。これはバブル期に深夜フジテレビでやっていた番組を書籍にしたものかと思う。あの頃の深夜は「寺内ヘンドリックス」とか個性的で好奇心を駆り立てる音楽番組が多かった。今はアニメへと変遷したが、コレも悪くはない。あくまでも好みですが。残念ながら絶版になっている。

さて、書籍に話を戻します。この書籍は「作る側の思惑や音楽理論」と「聴く側の感覚や気持ち」とを接続してくれる貴重な書籍だ。頭と心をうまく接続してくれる。例えば、こんな解説をしている。

副5度とは臨時転調のキッカケを作る特殊な和音のこと。ずーっとハ長調で行くと思わせておいて突然ヘ長調へ行く、かと思うとサっといイ短調で淋しげな雰囲気を作り、またハ長調へ復帰、明るさが戻って大団円、といった1曲の中でこまめな演習、これを作るのが副5度の和音なのだ。

『音楽の正体』 p73から引用
この後、「赤いスイートピー」を事例にしながら、具体的に解説を進めていくのだが、これがまた絶妙。今読んでも役に立つ。
もう絶版になっているけど、amazonで中古品を探せば入手可能。定価1,500円の書籍だから手ごろな値段で入手できるはず。

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