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世界的なできごとをきっかけにGitHubの活用が注目されている

まさにオープンソースが世界を変えている

ソフトウェア・ライセンスとは

ソフトウェアはライセンスで守られている。本来は自由であるべきものに印をつけて自分の権利だと主張する。財産を略奪から守り安心して暮らすための合理的な制度である。ただこれは諸刃の剣で、ときには「その技術は使ってはだめだ。使うなら金を払え」と、思わぬ弊害を生み出してしまう。

そうした勢力に対抗するために、パブリックドメインとかコピーレフトというスタイルが誕生した。CmpuServeとかアスキーネットとか、パソコン通信全盛期の時代

 

オープンソースの概念は、もともと1980年代半ば頃からあった考え方で、著作権を盾に一部のメーカーや利権者にソフトウェア技術・アイデアを独占されることを防ぐことが目的であった。言い方は悪いが、先住者や庶民のことには耳を貸さず、権力者は自己の利権を主張して守ることに腐心する、という構造への抵抗は脈々と続く人類の歴史であろう。かのリチャード・ストールマンもニコニコ、いやニヤニヤしているようにも感じる。

台湾の事例

さて、台湾での事例は有名だ。美談でまとめられているのはご愛嬌。

新型コロナウイルスで重苦しいニュースが続くさなか、興味深い出来事があった。東京都が開設した新型コロナの情報サイトに、台湾で天才IT大臣と評判のオードリー・タン(唐鳳)氏が「降臨」したのだ。

 

東京都の事例

負けじと東京都もがんばった。

そもそも都のサイトがユニークだ。外部の技術者が開発や修正に携われるオープンソースのプラットフォーム「GitHub」上にあり、多くの技術者の手で日々進化している。元ヤフー会長の副知事、宮坂学氏の直轄プロジェクトだ。

 

いずれも国家が主導で動かす形はとっていない。待っていては遅いし、泥舟はゴメンだ。志ある人が自分の信ずることをやる、これは本来の人の姿だと思う。そういう観点で、科学はとても自由な領域ではなかろうか。

GitHubという存在

こうした変革を起こすための基盤となったものは、オープンソースのプラットフォーム「GitHub」であった。「ソースコードのバージョン管理をするシステムをみんなで使おう」という発想のインフラで、多くの技術者が集まり、フィードバックしあい、お互いの手と頭で日々進化している。東京都の事例は、元ヤフー会長の副知事、宮坂学氏の直轄プロジェクトGitHub上で動き出したものだ。

 

プロジェクトとは本来、「やりたい」「やってみたい」という個人の思いが源動力にあるもので、そもそも「言われたからやる」「お金をもらっているからやる」といった義務感ではエネルギーは生まれない。

これは日々の業務にも同じことが言えるのではなかろうか。「自分自身が自分のために、そして他者のために仕事をすることを目指して職につく」のではなく「ルールや社会制度として流れに乗らないとまずいから会社に入る」という日本の『就職』のあり方を根本から見つめ直す時期だと、私は思っている。

これからはますます『個の時代』として進んでいくだろう。ただ、『孤独の時代』ではない。中央集権的にトップダウンでつながるのではなく、理想としたいインターネットのように相互信頼(心理的安定性)でゆるくつながる、フラットな関係性が大事になる。絆の意味が変わってきている。

だからこそ、とりあえずやってみる。ツールを使ってみる。誰かとコンタクトをとって訊いてみる。

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