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人材開発とは?

人材開発について俯瞰的に考えてみたい。
企業や組織サイドの視点から『人を育てる』ことは人材開発となる。現場のリーダーやマネジャの視点からみると人材育成という言葉を使うことが多い。
人材開発にかかわる企業研修をやっていると『人の育成』は企業にとっても、従業員にとっても大きなテーマになっていることを実感する。
「人材を開発すべきだと思いますか?」との問いにはほぼ100%が「YES」。
「なぜ人材開発が必要なのですか?」との問いには「組織力の強化」「業績向上」が多くを占める。
視点を変えて、「あなたは育成をしてもらっていますか?」という問いになると答えは揺らぐ。肯定・否定感情は別にして、「研修参加などの機会と資金的な支援はあるが、自己啓発が前提であるから、育成してもらっているとは思わない」という答えに落ち着く。
立場を変えて、「あなたは部下や後輩を育成していますか?」との問いには、「私には部下がいないから育成は私の役割ではない」「手間がかかり思うように育ってくれない」「背中を見せれば人は勝手に育ってくれるもの」など、その人の人間観とか組織観が透けて見えるような答えが返ってくる。私の研修では、ここをじっくりと掘下げて、真剣に育成について考え、理想と現実をつなぎながら学習をして、自分自身で自問自答しながら気づいてもらう、つまり自分で答えを出してもらうことになる。
いつも感じることは、”知識・ノウハウ”と”スタンス”、そして”方向性(ビジョン)”の3本柱が合致したときにもっとも大きな効果がある。このことは、大企業はもちろんのこと、中小企業においても同様である。むしろ、現場マネジャの考えや意見が経営戦略と直結しやすい。だから中小企業こそ、真剣に手を打っていくべきである。
”知識・ノウハウ”は人事制度や社風との接続が最も重要である。職能や職務規定に、その人に求められている役割や行動について詳細な記述がある。この記述を現場レベル、各人の理解ができるレベルにまで落とし込み、身につけておくべき知識やノウハウ(スキル)に展開していく。もっとも分かりやすい。
次に”スタンス”。簡単に言えば、「あなたはどのように仕事をしていきたいか、どのように周囲と接していくべきか」など自分の価値観や意図・意思と企業に求められていることを接続していくことで、スタンスを明確にすることである。自分のやりたいことや理想だけを求めれば”独りよがり”になるし、企業がもとめることばかりをやっていれば”やらされ仕事”になる。これは本人にとってはもちろん、周囲の人にも大きなマイナスである。たとえば、部下育成が”やらされ仕事”になったら部下にとってはたまったものではない。最悪、転職につながってしまう。だから、本人の意向や意思と企業が求めている期待を接続すること、そしてそういう自分に気づくことが極めて重要である。
最後に”方向性(ビジョン)”である。企業は事業戦略を実現するために役割分担をして組織を組成している。各部署では戦略実現に向けて必要な資源を確認して、組織を動かしている。人の育成とは、戦略実現をするための人的資源を強化することである。また人はすぐには育たない。だから、未来に向かって人材を育成していくわけである。ここで重要なのは、どこに向かっていくのか? というビジョンである。なんとなくやっていたのでは、組織戦略はおぼつかないし、環境変化が激しい昨今において、命取りにもなる。『気がついたら従来事業にしか対応できない人材しかいなかった』では話にならない。ここでは、”スタンス”で述べたように、企業の方向性と本人自身の方向性を合わせることにも力を割かなければならない。人は企業の歯車ではない。歯車にならないために、自律的に動けるよう、自分の意思を大切にしてくれる組織こそが、ダイナミックなシステムを構築できる。
まとめると、人材育成とは企業と企業で働く人の双方が、自身が抱いている意思や方向性を確認しあい、矛盾を克服して方向性を合わせて、強みを活かしつつ課題を克服することである。
イノベーション経営カレッジの設立 ~イノベーションリーダーの育成を目指して
 [NTTデータ経営研究所] ※PDF形式ファイルへのリンクです

今日の日本経済はグローバル化をはじめとした、激しい経営環境の変化に直面しており、特に、現在、100年に一度ともいわれる厳しい経済情勢に遭遇している。そのような状況の下、企業が競争力を維持していくためには、自らの持つビジネスモデルを環境変化に合わせて変革していくこと(イノベーション)が必要不可欠である。企業変革を実現するためには経営資源としての「情報」および、ツールとしての「IT=情報システム」は大変重要なものとなる。また、情報システムを検討する前に「業務システム」の見直しが必要であり、その前に「ビジネスモデルの変革」を議論することが必要であることは言うまでもない。企業が環境変化に対応しイノベーションを実現するには、この3つの革新を構想・実行できる人材がどれだけいるかが大きく影響する。

サービス業における人材育成・能力開発~JILPT サービス業企業アンケート調査から
 [Business Labor Trend] ※PDF形式ファイルへのリンクです

昨今、とくに二〇〇八年後半の金融危機を発端とする経済不況以降、新たな雇用の受け皿を模索する動きの中で、介護分野での人材不足が取り上げられるようになり、この分野での人材育成のあり方が徐々に社会的な関心を集めるようになってきた。さらに、国際的にみて生産性が低いといわれる日本のサービス産業の生産性向上の鍵を良質な人材の育成・確保に見出し、育成・確保が促進される環境を整えようとする動きも出ている

賃金制度/今後は「組織・チームワークの成果」を反映する企業が増加
 [Business Labor Trend] ※PDF形式ファイルへのリンクです

自社の賃金体系について聞いたところ、「過去」(おおむね五年前)については、「個人属性重視型」(四〇・五%)がもっとも多かったが、「現状」では、「職能重視型」がもっと多く(二七・七%)、以下、「職務重視型」(一九・一%)、「個人属性重視型」(一八・四%)などの順となっている。これに対して、「今後」(おおむね五年後)の賃金体系については、「職能重視型」(三三・二%)がもっとも多く、以下「職責・役割重視型」(一六・三%)、「職務重視型」(一四・七%)などが続いている。

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