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会議は誰のものか?

「会議が多すぎて困る。何も決まらないし、上の人たちだけがワイワイやっていて我々は蚊帳の外にいる感じがする。進捗確認にしても、資料に書いてあることをあらためて読み上げるだけだから、わざわざ集まる必要もない。こんな時間があったらもっと仕事をしたい。」
こんな声が聞こえてくる。特に、現場の中核となってチームを切り盛りしている中堅社員から特に強く聞こえてくる。
『会議の効率化を図る』というお題はずいぶん前から謳われているが、なぜか浸透しないことが多い。
2つ理由があるのではないか? 1ひとつは会議オーナーの不在、もうひとつはファシリテーターの不在。
会議のオーナーとは、会議を開くこと全般に責任を持った人であり、会議の結果のみならず、会議コスト、会議後の成果についても責任を持つ人。要は「何のために、誰が、どのように集まり、何を話し、何を決め、決めたら誰が何をやるのか、そのフォローはどうするのか」をしっかりと押さえる人。
ファシリテーターとは、「会議を円滑に進め、議題の拡散・収束を後押しする」人であり、会議のコンテツよりもむしろ、プロセスに着目して、より深く、より納得性の高い会議とするために係わる人のこと。
不況の折、コスト削減と称して無駄な会議を減らすことは大賛成だが、本当に必要な会議を減らしてはいないか? あるいは、会議そのもののやり方を曲げてしまってはいないか?
いかにして効率化を図れば良いのか?
まずは難しく考えずに、次のことをやってみてはいかがであろうか?
1.会議の開催目的を明確にし、参加者すべてのメリットを最大限にする
  何かを決める会議なのか? アイデアを出し合うだけの会議なのか?
  不安を解消する会議なのか?
  まずは会議目的を明確にして、各人の立場・役割、メリットを明確にしておくことである。
  たとえば、進捗会議はマネジャのためだけにあるのではなく、メンバーやリーダーの
  ためにある。進捗確認はほどほどに、それよりも悩みや問題点、
  この先の不安を払拭するために知恵を絞るなど。
  そのためには、会議の目的や会議の進行(アジェンダ)を事前に作っておくことは
  最低条件。よくできたアジェンダは会議内容をメモするだけで
  そのまま議事録になる。
2.決めたこと、話し合われたことを言語化して残し、周知徹底する
  正しいコミュニケーションマネジメントを踏むだけであるが、決められたことや
  話し合われたことは明快&簡潔に言語化してオープンにしておく。
  また、やるべきことがあればこれをWBSやガントチャートに盛り込むことも
  忘れてはならない。これは会議オーナーの重要な仕事である。
たった、これだけでそうとう変わるはずである。
「会議に出たくなる」という気持ちを持ってもらえるかどうか
これが第一ではないか。

会議は誰のものか? これを真剣に考え直す良い時期にある。
INAX 「生産性の高い経営会議」をITで支援 アジェンダ自動作成機能などを装備 [日経情報ストラテジー]

INAXは「標準会議システム」をIT(情報技術)を使って開発し、2009年春から経営会議で活用を始めた。議案提出などの事前準備から議事録配布に至る会議の運営プロセスを支援する。討議に必要な情報を事前に漏れなく収集して会議の進行を効率化し、議決事項を迅速に全社で共有できるようにする。全社の様々な会議にも同システムを活用し、会議プロセスの標準化と効率化を進めていく予定。

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