ドラッカー氏はたくさんのことを示唆してくれます。同じ時代を生きた人だということを、とても誇りに思います。
ところで、IT化というとどのようなことをイメージするでしょうか?
単なるコンピュータ化ではないことは確かです。単体でコンピュータを使うことにより便利になることも少なくないでしょうが、これではIT化の価値は享受できていないでしょう。
ネットワークを組み、接続されたコンピュータ全体を意味のあるシステムとして使うこと、バリューチェーンを築けることがIT化の第一歩だと言えるでしょう。
個々のノードを意味あるシステムとして組み上げるシステム思考が求められますので、技術だけではどうにもなりません。ここには業務プロセスの統合・改善・改革が伴い、俯瞰的にものごとをとらえ、自組織にとらわれない広い視野をもち、時代の変化や業界の流れを読みつつ将来性を見据えた判断が必要になります。
私は、ITが手段から目的に変わっていることに、最大の危機を感じます。それもプロフェッショナルであるIT化を推進するシステム部門がこのような考え方に偏ってきているように思います。ビジネスの視点が弱くなってくると、単なるシステム構築のお手伝い屋となってしまいます。
■ドラッカー氏が指摘する「ITより重要なもの」[日経ビジネス]
社会生態学者、ピーター・ドラッカー氏が2005年11月11日に亡くなってから早くも1年が経った。この1年の社会の動きは目まぐるしかったが、変化が激しい時こそ、本質をつくドラッカー氏の言葉に耳を傾けるべきではないだろうか。こう考え、ドラッカー氏とのロングインタビューの記録をひもといてみた。
★ITは重大な変化ではない
★CIOは新しい機能ではない
★中国の強みと弱み
★日本へのメッセージ
★スケジュール作りから始めてはならない
★優れた管理ほど労力を必要としない
★ドラッカーの教えをITプロジェクトに応用
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