最近、ES(従業員満足度)という言葉が良く出てきます。CS(顧客満足度)を求めるには、まず社員の満足なくして達成はできないというもの。顧客向けにサービスを提供する人が自分の会社に満足していなければ、その会社が創出するサービスや商品に対する顧客満足は得られないのは、確かにその通りです。
では、なぜ、声に出して言わなければならなくなったのでしょうか。そもそもこのスタンスは昔から変わらぬものではなかったのでしょうか。ESの考え方は、今に始まったことではないと思っています。
”会社への帰属意識”とか”愛社精神”とか、本来は純粋で自然であるはずの言葉が、いつのまにか経営者や人事の考えが透けて見えてしまうような言葉に落ちぶれてしまったことも関係がありそうです。
従業員は疲れています。組織をとりまく環境も目まぐるしく変わっています。そこに会社制度などが追いついていません。また、厚生労働省もまったくやる気がないように映ってきます。
厚生労働省のやる気のなさは、自らが公表した以下の方針にも窺われます。
①労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応する。
②労働時間を短縮する。
③労使が話し合って、自主的に取り組む。
健康と生活に配慮するとは?
多様な働き方が生じた背景は?
時間短縮の意味・目的は?
労使が何について、何のために話し合うのか?
自主的とは?
取り組んでいる具体的なイメージは?
実のない言葉の連鎖に対して、疑問が溢れてきます。
会社にとっての”顧客”はだれでしょうか。厚生労働省にとっての”顧客”はだれでしょうか。こう問い直したとき、どこに目が行くかで存在価値がわかってきます。
顧客は複数あり、それぞれの顧客は価値連鎖の上に成り立っている。決してひとり勝ちはありえない。商業の倫理という形で、昔からこのことは考えられていたはずです。バリューチェーンは無意識に取り入れられていた概念なのでしょう。
■ザ・リッツ・カールトン、顧客満足(CS)の真髄[三菱総研]
「リッツ・カールトン・ミスティーク(リッツカールトンの神話)」という言葉を聴かれたことがあるだろうか? 近年、顧客満足(CS=Customer Satisfaction)の優良事例としてザ・リッツ・カールトンホテルの事例が注目されている。たとえば、「パスポートをホテルに置き忘れたお客様を追いかけて、大阪から東京まで新幹線に乗って届けた」、「プールでなくしてしまったお客様のコンタクトレンズを探しあてた」、「ライブハウスに行こうと思っていたら、コンシェルジェに突然呼び止められて、ライブハウスを紹介された」などなど。
■家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト[厚生労働省]
※PDF形式ファイルへのリンクです
対象とされた方の疲労の蓄積はいかがでしたか?疲労が蓄積すると心身の健康状態の低下を招き、健康障害を引き起こすことがあります。疲労の蓄積を防ぐために、あなたと対象者で、働き方と休養について話し合い、働き方や休養について改善を心がけてください。また、必要に応じ産業医等の産業保健スタッフや医療機関への相談・受診をお勧めします。
■労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト[厚生労働省]
※PDF形式ファイルへのリンクです
あなたの仕事による負担度はいかがでしたか?本チェックリストでは、健康障害防止の視点から、これまでの医学研究の結果などに基づいて、仕事による負担度が判定できます。負担度の点数が2~7の人は、疲労が蓄積されている可能性があり、チェックリストの2.に掲載されている“勤務の状況”の項目(点数が1または3である項目)の改善が必要です。個人の裁量で改善可能な項目については自分でそれらの項目の改善を行ってください。個人の裁量で改善不可能な項目については、上司や産業医等に相談して、勤務の状況を改善するように努力してください。
■労働時間等設定改善指針[厚生労働省]
※PDF形式ファイルへのリンクです
基本的な考え方
①労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応する。
②労働時間を短縮する。
③労使が話し合って、自主的に取り組む。
■マネジメント層以上のホスピタリティマインドの追求こそ[日本総研]
企業業績回復の裏側には、疲弊しきった従業員を量産し、深刻なモチベーションダウンを招聘してしまった時代(=企業にとって、最も大切な経営資源である従業員の職場への高いロイヤルティ作りを忘却してしまった時代)があったことを企業は真摯に受け止めるべきである。
本稿では、従業員のモチベーションを取り戻すために不可欠な取組みに関し、ES(従業員満足)の視点で考察を試みたい。
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