所得格差が顕在化してきました。同じ年齢層での格差については注目されていますが、年齢層別の格差についてはどのように考えれば良いのでしょうか?
年功序列は暗黙の了解ですから、年齢が高ければアウトプット以上に有利なファクタが働くことも事実です。今の組織や企業を努力して作り上げてきた方々に対しては当然であり、公平な基準であることは間違いありません。
では、どの程度の差があるのでしょう。高齢者層の資産と負債に関するレポートをチェックしてみました。
50代を境にかなりうらやましい状況になっています。子供が巣立ったからでしょう。
がんばった人はきちんと成果を得られていることの表れでしょうか。
それにしても、女性の地位向上にはまだまだ課題が山積という気がしてなりません。優秀な女性がたくさんいらっしゃるにも関わらず、正当な評価が得られていません。
■平成16年全国消費実態調査 家計資産に関する結果(速報)[総務省]
1 1世帯当たりの家計資産は3900万円
・二人以上の世帯(全世帯)の平成16年11月末日現在の家計資産額(純
資産額)合計は,1世帯当たり3900万円。
・平成11年と比べると,家計資産額は11.1%の減少。内訳をみると,宅
地資産が18.6%の減少,耐久消費財等資産が15.3%の減少,住宅資産
が2.3%の減少,金融資産は6.1%の増加。
2 家計資産額が平均以下の世帯が全体の約3分の2
・家計資産額階級別の世帯分布をみると,資産合計で平均値3900万円,
中位数2498万円で,平均以下の世帯が全体の66.8%を占め,資産額の
低い方に偏った分布。
・住宅・宅地資産額階級別の世帯分布をみると,住宅・宅地資産保有世
帯の平均値は3396万円,中位数は2138万円。
3 家計資産額は70歳以上が最も多く,30歳未満の7.3倍
・家計資産額を世帯主の年齢階級別にみると,30歳未満が817万円,70歳
以上が5961万円などとなっており,年齢階級が高い世帯ほど家計資産
額も多い。
・平成11年と比べると,資産合計はすべての階級で減少。
4 年収第Ⅹ階級の家計資産額は第Ⅰ階級の3.4倍
・家計資産額を年間収入十分位階級別にみると,第Ⅰ階級が2434万円,
第Ⅴ階級が3369万円,第Ⅹ階級が8161万円などとなっており,おおむ
ね年間収入が高い世帯ほど家計資産額も多い傾向。
・所得階級間格差を平成11年と比べると,資産合計は3.1倍から3.4倍に
拡大。資産の種類別にみると,金融資産,宅地資産,住宅資産は格差
が拡大。耐久消費財等資産は格差が縮小。
■データウォッチ「注目される50歳代の負債動向」[三井トラスト・ホールディングス]
※PDF形式ファイルへのリンクです
家計の負債は、住宅取得のためのもの(住宅ローン)とそれ以外のものとに分けられるが、本レポートでは、特に後者に注目した。なお、住宅ローンを除く負債には、例えばカードなどを使った商品の購入やキャッシング、銀行等からの有担保・無担保の借入(口座貸越や教育ローン、自動車ローンなど)、消費者金融会社からの借入等がある。
■所得格差と若年雇用-2つの問題を併せて考える[第一生命経済研究所]
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内閣府資料によれば、所得格差について、統計上緩やかな拡大を示しているものの、主に高齢化と世帯規模の縮小の影響による「見かけ上の問題」と説明しており、統計でみる限りこの政府見解は正しいと思われる。しかし、統計と実感との間で乖離があるために、これほどまでに格差論争が広がっているとみる。乖離が起きる理由について、第一に、統計のサンプル対象が中所得者層に偏っていること、第二に、高成長下での格差拡大より低成長下での格差拡大の方が実感として「格差拡大感」を受けやすいことが挙げられる。
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