”消費”に慣れ切った若者世代。
”消費”は魔力です。
お客様ですから、実に気持ちよく感じます。
また、何かを成し遂げたような錯覚すら覚えます。
自分の手を使わずに、周りのエネルギーを使う。
その分お金は減りますが、親から流れてくる資金を充てるので、あまり痛くはない。
一方、頭をひねってものを作り出す”生産活動”はどの様にとらえられているのでしょうか。
アウトプットですから、さまざまな要素からできあがります。
私は生産をこのように考えています。
( 材料+エネルギー+スキル・知力・工夫 ) x モチベーション
このモチベーションが厄介な存在です。
自分から能動的にアクションを取らなくてはならないから、生産に大きく影響を与えるはずです。
”消費”という受身に慣れてしまった学生が、企業による”生産”という能動的な活動を理解するには、相当の努力と想像力を必要とするはずです。
加えて、”生産活動”は一人でできるものではありませんので、コミュニケーション能力が必要です。コミュニケーションは発信側/受信側双方に責任と自覚が必要ですが、”消費”に慣れてしまった人々は、横柄で傲慢な態度をとりがちです。
「聞いていません」「知りません」「もっと分かりやすく言ってください」という言葉は、コミュニケーション放棄へとつながっています。
ですから、企業が新入社員や第二新卒を採用すると、必ずビジネスマナーや社会常識から教育しなければなりません。そのうちの大半は大学教育の役割だと感じることも多々ありますが、そいうことには学校側はあまり興味がないようです。
「入学してしまえば簡単に卒業できる大学」には権威も価値もありません。でも、大卒というブランド神話は相変わらず存在します。このような自動的にお金を落とすシステムに組み込まれて、本来は”生産”に位置づけられる学問を”消費”し続けている学生がほとんどのようですから、学校側のだけの責任でもありません。
さて、このような記事がありました。
■採用基準「明確でない」61%、学生の不満を企業知らず[アサヒジョブプラッツ 東日本版]
企業の73%は「求める人材像が学生に伝わっている」と回答。社員の育成方針も、企業86%が「情報提供している」と答えたのに対し、入社5年目までの若手社員の55%が「提供されていない」と回答。入社後も、企業と若手社員の認識格差が埋まっていないことがわかった。
歩み寄るべきなのはどちらでしょうか。
「企業と若手社員の認識格差を埋める」のは誰の責任でやるべきでしょうか。
経産省の社会人基礎力研究会は、そもそも原因をどのように捉えたのでしょうか。
残念ながらこのレポートからは読み取れませんでした。
■経済産業省
■審議会・研究会[社会人基礎力研究会]
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