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少子化と高齢化の流れについて

少子高齢化というキーワードがある。正しくは、「少子化」と「高齢化」というまったく別の事象を並べており区別して考えるべきものでしょう。

簡易生命表について

わかりやすいところからスタートするために、厚生労働省が発表している『平成30年簡易生命表の概況』を見てみたい。

平成30年簡易生命表は、日本にいる日本人について、平成30年1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したものである。

これらの生命関数は、男女別に各年齢の人口と死亡数によって計算されるため、その値は現実の我が国の年齢構成には左右されず、死亡状況のみを表している。したがって、日本の死亡状況を厳密に分析する上で不可欠なものとなっている。また、0歳の平均余命である「平均寿命」は、全ての年齢の死亡状況を集約したものであり、保健福祉水準を総合的に示す指標として広く活用されている。

余談ですが、「ハイパーリンクにPDF資料を貼り付けておしまい」という姿勢はいかがなものであろうか? 現代に則した組織内情報共有を真剣に検討する機会が多いので、ついグチりたくなる。。。

平均余命の推移

1.主な年齢の平均余命 [211KB](PDF文書へのリンク)

話をシンプルにするために男性のみに着目します。

戦後すぐ1948年の平均寿命(0歳の平均余命)は55.6歳。40歳の平均余命は29.1歳で、平均的には70歳まで生きるイメージであろう。このとき現在の社会保障制度が制定された。この傾向が1970年頃まで続く。

では、ここ30年の平均余命はどうなっているのか。

1990年と2018年を比較すると、65歳未満の平均余命は約5年、65歳以上の平均余命は約3年伸びている。65歳未満に着目すると平均的には83歳くらいまで生きることになる。

我が国における人口の動向

厚生労働省の他の発表資料を見てみる。

平成30年(2018)人口動態統計の年間推計 [192KB](PDF文書へのリンク)

これを見ると昭和48年(1973年)から少子化は始まっている。それも今よりも急激なカーブで落ち込んでいる。大阪万博や冬季札幌オリンピックが開催された頃の話。

これも余談ですが、昭和41年に著しく出生数が落ち込んでいるのは「丙午」の年だから。

高齢化の状況

長生きをするようになって、かつ出生数も減ってきた。これが高齢化という事象を引き起こした。いずれにしても、1970年代から、つまり、50年も前からわかっていたこと。

内閣府がまとめたのが以下の資料。残念ながら国としてのビジョンまでは述べられていない。「解決策は見いだせないので、国民各自が自己責任において考えて欲しい」ということであろうか。確かに半分はその通りでしょう。

これからを考えるにあたって

これからを考えるにあたって、まずは現在の状況をしっかりと把握・理解する必要があると思う。ここでいう「現在」とは、「今この瞬間」のことではなく、「過去からの流れを踏まえた現在」のこと。せっかく有用な一次統計情報が資料として提供されているのだから、これを活用しないのはもったいない。

ただし昨今は、誰かの都合の良いように測定や集計の基準が変わったりするので、単純に数値だけを見て判断することは要注意。また、二次統計情報を使用する際にも注意が必要。「選別する」という意思が入り込んでいるので。

統計情報のポータルサイト

政府統計の総合窓口(e-Stat)は、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議で決定された「統計調査等業務の業務・システム最適化計画」に基づき、日本の政府統計関係情報のワンストップサービスを実現するため2008年から本運用を開始した政府統計のポータルサイトです。各府省等が実施している統計調査の各種情報をこのサイトからワンストップで提供することを目指し、各府省等が公表する統計データ、公表予定、新着情報、調査票項目情報などの各種統計情報をインターネットを通して利用いただくことができます。

当サイトは、各府省等の参画の下、総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運用管理を行っております。

※とても有用なサイトですが、サーバスペックが悪いのかシステムレスポンスが悪いのがもったいない

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