転職が当たり前こととなり、優秀な人材を獲得やなぎ留めが難しくなっている。そのような環境でも有能な経営人材を輩出しているサイバーエージェントの曽山哲人・取締役(人事統括)にインタビューする記事があった。
まず興味深かったのはここ15年の採用に関する変化を端的に語っていたこと。伝統ある企業では、建前では口にするものの、いざ採用の段階になると敬遠していることばかり。
この15年の変化について言うと、ポイントは3つあると思っています。まず、オープンな会社であるほど採用がうまくいくようになっていること。次に、会社の価値観に合う人を採用する重要性が上がっていること。最後に、才能開花の競争が始まっていること。この3つです。
今は会社の内情がどんどんバレる時代です。ハラスメントも同様で、面談の様子は録音されるし、録画される。例えば、面接での質問や面接官の名前はLINEの就活グループで瞬時にシェアされています。曽山の前で「新規事業をやりたいというと深掘りされるから気をつけたほうがいいよ」というようなやり取りが普通に交わされている(笑)。
この流れにおびえている企業と、「ラッキー、チャンスが来た」と思っている会社に分かれているように思いますね。オープンに会社の内情をさらしてもいいと思っている会社は胸を張って今の流れに乗ればいい。逆に、対外的に発信していることと中身が違えば、すぐにバレて炎上してしまう。
「環境が人を育てる」という言葉があるように、抜てきして任せたほうが人は育つ。それと、何が当たるのか分からないのであれば、わざわざ30代や40代の経験ある人材に任せる必要はないでしょう? 今の時代、何が当たるのかはやってみなければ分かりません。
実際のところ、全員が全員起業家志望である必要はありません。7~8割は「ネットの未来が明るいと思っていて、そこで何かチャレンジしたいと思っている」という程度でいいんですよ。僕もそうでしたから。
経営人材を育てようとした時期もありましたが、経営人材の育成に取り組む中で、経営者や起業家を育成するのは難しいという結論にたどり着きました。ただ、育つ場はつくれるとことも分かりました。そういう場として重要なのは、いかに決断経験を与えるかです。
最後に『経営者になるためのアクションを始めるのは早いほうが良い』とのアドバイス。まったく同感です。
経営者はフィギュアスケートの選手やサッカー選手と同じだということです。早い段階で経営者になったほうが失敗と成功がたくさん経験できるので慣れるんですよ。
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