2017年5月30日に経済産業省から発表された「新産業構造ビジョン」は、今もてはやされているDXのベースとなったものであろう。
経済産業省は、第4次産業革命へ的確に対応するための官民の羅針盤となる「新産業構造ビジョン」の策定に向けて、一昨年(注:2015年)8月より議論を重ね、今般、とりまとめを行いました。
「新産業構造ビジョン」は、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットに代表される技術革新によって、あらゆる構造的課題にチャレンジし、解決していく、そしてそれを経済成長にも繋げ、一人ひとりにとって、より豊かな社会を実現することを目的に策定したものです。
この中では、改めて日本の強み弱みを見つめ直し、日本の勝ち筋を実現するための中長期的な「将来像」と戦略を描き、それを具体化していくための「目標逆算ロードマップ」を定め、具体的な制度改革を見据えた「突破口プロジェクト」をとりまとめました。
経済産業省としては、第4次産業革命の波に乗り、日本が強みを活かしつつ、「Connected Industries」の考え方によって世界の先頭に立って産業を引っ張っていけるよう、新産業構造ビジョンの実現を図ってまいります。
ここでは『第4次産業革命』というキーワードを使って今の社会・技術環境の変化を表現している。そして「突破口プロジェクト」というキーワードを使ってDXを表現している。
『【概要版】新産業構造ビジョン(PDF形式:2,781KB)』に全体図があり、趣旨が簡潔にまとまっている。
Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
これから目指すべき将来像を上記のように定義して、そこに向かって解消すべき課題を『打ち破るべき壁』としてまとめている。
●新たな技術やビジネスモデルの試行 錯誤を許容しない規制
●業規制による新規参入抑制等
●座学中心、文理の壁、専門領 域縦割り教育等
●終身雇用・年功序列、職務内 容無限定 等
●経営層のリーダーシップを阻む 大学システム(学内統治、国の資金に依存した財政基盤)
●外部からの健全なプレッシャーによる値創造に向けた競争の欠如等
●低調な科学技術予算
●年配教授偏重による、若手研究者へのしわ寄せ(任期付研究員の増加)
●人生100年時代、高齢者が何度も輝けるようになっていない等
●過度な「自前主義」
●データサイエンスプログラムの不足
●高いデータ処理コスト
●データ利活用に関する理解度の欠如 等
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