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CES 2020 SONYのEV

CES(Consumer Electronics Show)が開催されている。

公式サイトによると、このショーの目的は以下の通り。

CES is the world’s gathering place for all those who thrive on the business of consumer technologies. It has served as the proving ground for innovators and breakthrough technologies for 50 years — the global stage where next-generation innovations are introduced to the marketplace.

そのイベントでSONYがEVの試作品を発表した。海外カーメーカーからの評判は上々で、一気に日本車メーカーを抜きん出た感覚すら覚える。EVとはそういう存在なのであろう。

なんだか1980年代のソニーにあった、革新性と斬新性、そして技術者集団としての好奇心と行動力、こういうエネルギーにあふれているように思いました。当時、『プロフィール』といったデザインと機能の双方から世界的に着目されていたTVモニターがあった。テレビやビデオはもちろん、パーソナルコンピュータやゲーム機とも接続でき、いずれの機能もずば抜けていた。

今回のショーにおいてSONYはこのようなことを発表している。

ソニーは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことをPurpose(存在意義)とし、人々の心に響く製品、コンテンツやサービスで、社会に良い効果をもたらすことを目指しています。

 

XTECHの記事に興味深いものがあった。

VISION-Sのプロジェクトが始まったのは、今からおよそ2年前。川西氏が率いるAIロボティクスビジネスグループが手掛けた犬型ロボット「aibo」が発売されてまもないころに同プロジェクトが始まったという。開始後、同氏は、今回の試作車を作製することになるオーストリア・マグナ・シュタイア(Magna Steyr)の工場に赴く。同社は自動車の受託製造を手掛ける企業である。

このとき製造現場などを見て、「自分たちでできる(クルマを作れる)と思った」(川西氏)という。「モノづくりの観点で見ると、これまでの我々が製造してきたもの(電子機器)と自動車は近いと感じた。それぞれの開発過程では(アプローチや考え方など)共通するところが多かった」(同氏)ことから、試作車作りに踏み切った。それから本格的にデザインや設計などを始めて、およそ1年で実際に走行できる今回の試作車を、VISION-Sプロジェクトの参画企業の協力を得て仕上げたという。

 

車に対してSONYなりの概念を持ち込んだことはすぐにわかる。いわゆる『車とはこういうものだ』という思考停止状態にある日本の自動車マーケットに対して、波紋を投げかけたように思う。

「クルマをエンタメスペースに」という提案は従来もあったが、主流にはなりきれなかった。それこそエンタメの保守本流であるソニーが本格参戦したことで、クルマのエンタメ化は進むのか。今回発表されたVISION-Sのパートナーに日本企業の名前は無かった。それがソニーの意図したものなのかどうかは現時点で不明だが、日本の自動車業界はどう反応するのか興味深い。

 

この車をつくるにあたってSONYが担った極めて重要な役割は、自分たちの強みを生かしたEXCELLENT PLAYERであろう。WALKMANの流れを汲む音声技術やコネクション技術、カメラで培ったイメージセンシング技術、AIBOで世界にアピールしたロボットやAI技術。またそれ以上に、得意分野をもった専門家集団を取りまとめたプロデューサーとしての役割も大きいであろう。上下関係関係ではなく、リスペクトに基づくプロとしての対等関係。

 

利益関係が錯綜するステークホルダーをとりまとめて、自らの目的・目標を実現させるプロデューサーであることはとても重要な役割であり、期待される能力であろう。単に『コミュニケーション能力が高い』『構想力・創造力が高い』といった言葉では表せない。

求められているAI人材とも重なる部分が多いと思う。

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