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厚めのステーキ肉をおいしくする焼き方

美味しい料理とは良い素材と良い調理法の合体だと思う。また調理法は科学と感覚の集合体、つまりアートの世界だと感じている。

ものづくりが好きな自分としても料理をすることも大好き。シンプルな料理ではあるが、スーパーで売っているお肉を美味しく焼けたときはなんとも言えない幸せな気分になる。

勘違いした焼き方

その昔、なにかの本で読んだこの焼き方をしばらく続けていたが、実は勘違いだったようだ。不味くはないけど、もっと美味しい調理法があった。
強火で肉の周りを焼いて肉汁が逃げない状態にしてから、中火で焼き上げる

 

美味しい焼き方

ではどうすれば美味しく焼けるのか?

 

先日の日経新聞の記事、『すっきり生活 ジューシーな肉が食べたい』にも同様の記述があった。

弱火でゆっくりと焼き、焼き上がったら肉を休ませる

 

この記事から具体的な調理手順を抜粋するとこんな感じ。牛肉と豚肉の両方で試してみたが、このやり方だと厚めの肉が美味しく焼ける。

サーロインステーキの「じっくり焼き」

1.肉の両面に塩を振り、肉に馴染むまで置く
2.フライパンに火をかける前に肉を乗せる
3.弱火で2分ごとにひっくり返し、各面3回ずつ焼く
4.強火で片面ずつ30秒〜1分程度焼き、両面に焼き色をつける
5.アルミホイルで包み4〜5分置いた後、盛り付ける

焼き時間は肉の厚さによるが、厚さ2センチくらいの肉であればこの手順通りに焼けばまず失敗することはない。牛肉はウェルダンに近いミディアム、豚肉は十分に火が通った状態で焼き上がる。

私の場合、牛肉はレアに近いほうが好きなので、3回目は2分よりも短い時間で切り上げて、肉を休ませる時間も15分くらいと少し長くとる

また、フライパンに油を引くこともしない。肉を焼いていると肉そのものから油が出てくるので。特に豚肉の場合は、肉から出た油で肉の表面がカリっと美味しくなる

それから、厚み2〜3センチ程度のステーキ肉なら、冷蔵庫から出してから室温に戻るのを待つことなく、すぐに調理し始めてもまったく問題ない。下準備として、肉にフォークを刺して筋を切っておくと食べやすくなる。

料理の科学

上記日経新聞の記事には、こうした焼き方をする科学的根拠も書いてあった。

弱火で焼くのは?

肉のタンパク質は50度を超えたあたりから凝固し収縮する。また、高温になるほど肉は急激に収縮するため、肉の内部の水分やエキスが外に出てしまいパサつくので、弱火でゆっく焼くと、水分を保持し、中まで火を通せる。

なお、弱火とは火力のことではなく「フライパンの底の面積の約4分の1に火が当たる状態にすること」とのこと。

2分ずつひっくり返すのは?

肉の同じ面がフライパンに当たり続けると温度が上がり過ぎるので、ひっくり返して温度を下げながら焼く。

最後に強火で30秒から1分程度焼くのは?

火を通すことが目的ではなく、焼色と香ばしい香りを生ませるため。

焼いたあと休ませるのは?

焼きたての肉の中では水分子が活発に動いている。この状態で肉を切ると肉汁が流れ出てしまうので、温度を下げて落ち着かせる。

美味しい料理には良い素材が必要。でも、良い調理法で料理すれば「それなりの食材」が「格別の味」に化けることも珍しくない。だから料理は『良い素材 x 良い調理法』なのでしょうね。

 

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