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デジタルトランスフォーメーションの定義

デジタルトランスフォーメーションの定義についてまとめてみた。以下の記事を参考にしましたが、ざっと眺めると、それまでは『第4次産業革命』『新産業構造』『デジタル・エクスペリエンス』『Society 5.0』と呼んでいたものを、2017年に総務省が『DX:デジタルトランスフォーメーション』という言葉を使ったことを転機に急激に広がったように思います。つまり、『概念は変わらず、キャッチーな言葉が浸透した』というイメージです。

参考にした記事

●フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

●IBMが提唱するすばらしいデジタル・エクスペリエンスを実現するために大切なこと

●情報通信白書(総務省(MIC))
『第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長 − 2.データ主導社会へ − (2)デジタルトランスフォーメーション』

●「新産業構造ビジョン」をとりまとめました(経済産業省)
『第4次産業革命へ的確に対応するための官民の羅針盤となる「新産業構造ビジョン」の策定に向けて、一昨年(2015年)8月より議論を重ね、今般(2017年5月30日)、とりまとめを行いました』

エリック・ストルターマンによる定義[2004年]

デジタルトランスフォーメーションの用語の初出は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した。彼は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と定義し、下記の特徴を提示している

  • デジタルトランスフォーメーションにより、情報技術と現実が徐々に融合して結びついていく変化が起こる。
  • デジタルオブジェクトが物理的現実の基本的な素材になる。例えば、設計されたオブジェクトが、人間が自分の環境や行動の変化についてネットワークを介して知らせる能力を持つ。
  • 固有の課題として、今日の情報システム研究者が、社会的に有益な立場でないより本質的な情報技術研究のためのアプローチ、方法、技術を開発する必要がある。

IDC Japan社による定義[2016年]

2016年にIT専門調査会社のIDC Japanは、ITプラットフォームの概念を用いてデジタルトランスフォーメーションを定義している。

  • 第1プラットフォーム:メインフレーム/端末システム
  • 第2プラットフォーム:クライアント/サーバーシステム
  • 第3プラットフォーム:クラウド・ビッグデータ/アナリティクス・ソーシャル技術・モビリティー

IDC Japanはデジタルトランスフォーメーションを「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と定義している。そして、これに投資することは2017年以降5年間のIT市場における成長の大部分を占め、ITサプライヤーの優先事項になると予測している。

ガートナー社による定義[2014年]

ガートナー社は「デジタルビジネス」という概念を用いる。ガートナー社によれば、企業内のIT利用は三段階ある。

  1. 業務プロセスの変革
  2. ビジネスと企業、人を結び付けて統合する
  3. 人とモノと企業もしくはビジネスの結び付きが相互作用をもたらす

ガートナーはこの第3段階の状態をデジタルビジネスと呼び、「仮想世界と物理的世界が融合され、モノのインターネット(IoT)を通じてプロセスや業界の動きを変革する新しいビジネスデザイン」(2014年) と定義している

また、このデジタルビジネスへの改革プロセスを「デジタルビジネストランスフォーメーション」と定義している

デジタルトランスフォーメーション研究所による定義

株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所によると、

  1. デジタルテクノロジーの進展で劇的に変化する産業構造と新しい競争原理を予測
  2. 自社のコアコンピタンスを活用して他社より早く到達可能なポジションと戦略の策定
  3. 戦略実現のための新しい価値とサービスの創造、事業と組織の変革、意識と制度の改革、を経営視点で遂行すること

と定義されている

DX推進システムガイドライン(経済産業省)[2018年]

2018年 経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会が策定したDX推進のためのガイドライン。正式名称は「DXを 推進するための新たなデジタル技術の活用とレガシーシステム刷新に関するガイドライン」。DXの失敗の典型パターンから、DXを実現すべくITシステムを構築していく上でのアプローチや必要なアクションを示す。

2018年策定の構成案

  1. DX の位置づけ
    1. 経営戦略とDXの関係
    2. 事業のビジネス・モデルや価値創出の具体化
    3. 戦略方針について社内組織との共有
    4. スピーディーな対応を可能とする変革
  2. 体制・仕組み
    1. ITシステムの基本構想の検討体制
    2. 経営トップのコミットメント
    3. 新たなデジタル技術活用におけるマインドセット
    4. 事業部門のオーナーシップ
    5. ユーザ企業自らの選択・判断能力
    6. ユーザ企業自らの要件定義能力
    7. 評価・ガバナンスの仕組み
  3. 実行プロセス
    1. 情報資産の分析・評価
    2. 情報資産の仕分けと移行プランニング
    3. レガシー刷新後のシステム: 変化への追従力
    4. 経営者自らによるプロジェクト管理
    5. DXの取組の継続

「新産業構造ビジョン」(経済産業省)[2017年]

「新産業構造ビジョン」は、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットに代表される技術革新によって、あらゆる構造的課題にチャレンジし、解決していく、そしてそれを経済成長にも繋げ、一人ひとりにとって、より豊かな社会を実現することを目的に策定したものです。
この中では、改めて日本の強み弱みを見つめ直し、日本の勝ち筋を実現するための中長期的な「将来像」と戦略を描き、それを具体化していくための「目標逆算ロードマップ」を定め、具体的な制度改革を見据えた「突破口プロジェクト」をとりまとめました。
経済産業省としては、第4次産業革命の波に乗り、日本が強みを活かしつつ、「Connected Industries」の考え方によって世界の先頭に立って産業を引っ張っていけるよう、新産業構造ビジョンの実現を図ってまいります。

 

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