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企業とアカデミック機関との連携

産業としてのソフトウェア業界を捉えたとき、アカデミック機関はどのような役割を果たすべきなのか? について考えることが、産学連携の基本である。ただ単にいたずらにシーズを追い求めたり、教授や大学の名誉や実績のために連携活動を前進させることは百害あって一利なしである。
現在、ITスキルやPMスキルの教育的側面として連携は進んでいる。また、北の大地においては組み込み技術の連携は顕著で、大きく実績も残している。顧客(サービスを提供される側)や社会への影響を見据えているからである。
しかし、その他の領域におけるソフトウェア開発において、なかなか進んでいないようである。調査結果がまとめられていたので紹介します。特許といかにうまく付き合うか、いかにして継続的な利益享受のモデルにつなげるか、ここに知恵を絞ることになる。収益の循環サイクルさえできてしまえば、次のネタが派生・発展していくだろうし、人が集まり、育成の土壌にも繋がるであろう。

企業にとって大学研究者との共同発明や研究協力、大学への派遣・出向などの直接的な関係構築は、必ずしも価値の高いソフトウェア特許に結びつくものではなく、そこから生まれた特許は自社ではかえって利用しにくいものとなる場合もあることが示された。しかし同時に、知識ベースとしてみた場合、アカデミック・セクターが生み出す情報を研究の着想や実施時に活用するならば、産業界にとって価値の高い特許を取得することができるなどの結果が得られた。

ソフトウェア・イノベーションの知識ベース
 [経済産業研究所] ※PDF形式ファイルへのリンクです

わが国のソフトウェア産業の競争力が低いという点はたびたび指摘されているが、産業としてのイノベーション・システムは、どのような発展経路をたどり、どのような問題を抱えているのであろうか。本研究では、わが国のソフトウェア産業に関して、イノベーション・システムの主な構成要素としての知識ベースと知的財産制度の関係について、データに基づく実証分析を行った。
わが国においては、ソフトウェア技術の進歩に大学が果たす役割は限定的なものであると認識されているが、データからは日本においてもアカデミック・セクター(大学および大学以外の公的研究機関を含む)からのソフトウェア技術に関する情報発信が増加し、またその内容も徐々に産業上の有用性が増しつつあることが示唆された。

コメント

  1. shincha より:

    ソフトウェアは、それほど詳しくはありませんので、勉強になります。
    http://plusone-patent.co.jp/contents/index.php?cID=7

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