コンテンツビジネスとは、中身を売り物にするビジネスであり、モノではなくサービスを提供するものである。そして、何よりも重要なことは、文化レベルでの交流が図られる方向性の強い性質を持っていること。
目に見えぬものゆえに、利権がからみ魑魅魍魎が群がる。一番厄介なのは規制である。規制は、利権を守ると同時、横から吸い取ったり、囲い込みを行ったり、ときにはコンテンツ提供者の行動をしばる。
「文化レベルの交流のため」という本来の目的を見失い、健全な判断ができなくなると、足かせになる。特に気をつけなくてはならないのが、国家レベルでの動き。縦割行政の世界では、お互いのプライドをかけて存在感をアピールするので、たちが悪い。同じようなことを複数の機関が、同じように調査・検討を進め、違った結論を出す。そこには、コンテンツ提供者はもちろん、享受者のことさえも置き去りにされている。
今回の発表資料も、何をしたいのかわからない。「こういう方向でいくべき」と謳うのは結構。ただ、その意見を取りまとめるまでに至ったプロセスで、何を大事にして、どのようなステークホルダーが話し合ったのか、これが問題である。加えて、このような文書がどういう手順とねらいを持って、誰にオープンにされようとしているかである。
PMBOKでいうコミュニケーションマネージメントが欠如してはいないか? それゆえに、中身に対してついつい、素直に読み込めない自分がいる。
■2015年に向けたコンテンツ戦略[総務省] ※PDF形式ファイルへのリンクです
我が国におけるコンテンツを取り巻く環境は、近年急激に変化しつつある。 例えば、以下に示すように、コンテンツ自体の価値の変化や、コンテンツを製作・視聴する側双方における「個人」の位置付け等様々な側面で環境変化が起こっているところだが、コンテンツの振興のためには、それらの環境変化を適切に踏まえ、幅広い範囲のコンテンツに関し、グローバルな視点に立った政策が求められる。
(1)工業社会から知識価値社会へ
(2)より重要性を増す「個人」
(3)従来のプレーヤーの疲弊
(4)国からグローバルへ
1.目標
従来より議論が行われてきた、いわゆるエンターテイメントを中心とするコンテンツ分野について、具体的目標としては以下のとおりである。 (1)コンテンツの製作力を強化するとともに、新しいメディアの開発と、クロスメディアの充実を図り、ユーザの利便性を向上させ、コンテンツの振興を図る。 (2)上記(1)を通じ、国の内外のコンテンツ市場を拡大するとともに、コンテンツ産業全体を発展させる。 (3)2015年を目途に、コンテンツ市場全体を、06年時点から更に5兆円拡大させることを目指す。
■音楽産業のビジネスモデル研究会 報告書[経済産業省] ※PDF形式ファイルへのリンクです
「音楽産業のビジネスモデル研究会」は、音楽配信事業の拡大などに伴うメディアの多様化、
CD販売の落ち込み、ヒップホップ以降のメガヒットトレンドの欠如、顧客である人口構成の変
化などの音楽産業を巡る環境の変化を踏まえ、音楽製作やアーティスト育成の立場に立脚し
つつ、マーケティング、メディア戦略、ライブ戦略、そして海外進出などの観点から、音楽産業
の市場規模拡大にむけたビジネスモデルの在り方を検討することを目的として開催された。本
報告書は研究会の検討内容をまとめたものである。
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