ITスキル標準(ITSS)は有用なツールです。現在のスキルを診断するためではなく、今後のスキルマップをえがくこと、スキルアップに必要な要素を浮き彫りにさせることがツールとしての存在意義になります。
ともすると、スキル診断ばかりに目が行ってしまい、本来の目標である人材育成を見失ってしまっているケースが多々あります。私も、以前、組織全体にITSSを使ってスキルアップ計画を推進したことがります。
「スキル診断の結果により、降格がされるのか?」
「給料体系が変わって減給になるのか?」
「結果によっては案件が変わってくるのか?」
「スキル診断なんて当てにならない」
など誤解に根付いていた様々な”抵抗”がありました。事前に何度も説明したにもかかわらず、理解を得ることは極めて難しく、労力の要る作業になってしまったことを悔やんでいます。
マイナスイメージに考えて欲しくないし、瞬間的な断面ではなく将来に続く希望の糸だと捉えて欲しいと願っていました。人材育成には組織による後押しがとても重要なキーを握っていることを改めて感じました。
■ITスキル標準初のバージョンアップ、4月1日からIPAのサイトで公表[日経ソリューションビジネス]
今回公表されるのは、3部構成のITスキル標準本体と活用のための資料をまとめた附属書。ITスキル標準本体は、適用範囲や基本構造を解説する「概要編」に加え、各専門職種の定義や市場における専門職種の評価基準についてまとめた「キャリア編」、各専門職種に必要なスキルの一覧(スキルディクショナリ)やスキルの習熟度合いについてまとめた「スキル編」を用意した。評価基準をより明確にするために、各レベルに到達するための要件を明示し、数値による判断基準を盛り込むなどしている。
■ITスキル標準センター[IPA]
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