メガバンクとの連携が進まないケースが多かった。
最大の障壁がAPI利用を巡る料金水準だ。API基盤の導入コストを回収したい銀行と接続料を抑えたい電代業者間で折り合いがつかないケースが少なくない。オープンイノベーションの推進を掲げて銀行法改正に踏み切った金融庁としては見過ごせない事態を前に、「経済条件については当事者間の交渉に任せる」というこれまでのスタンスを少なからず転換した格好だ。
ただその中でも、三井住友銀行は オープンAPIの接続を巡る手数料体系を見直したとこのこと。アクセス過多からシステム安定性を守ったり、電子決済等代行業者とのスピーディな契約締結を目指しているようだ。
三井住友銀行の担当者はこう語る。同行は、オープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の接続を巡る手数料体系を見直した。同時に、API接続に際してのチェックリストを改訂。電子決済等代行業者との契約締結のスピードアップを目指す。
確かにAmazonやGoogleも、コンピュータ科学からみた広義のセキュリティやビジネス面での可用性を高めるためにAPI利用に対しては注意を払っている。単位時間あたりのAPI呼び出し件数で制限をかけたり、月当たりの呼び出し件数によって料金を上乗せするシステムである。
コロナウィルスによる経済への影響や生活スタイルの転換から、こうした商習慣への大きな変化が現れてきた。まずはユーザーの利便性を考えなければ利益が生み出せないばかりか、使ってすらもらえいない。
金融機関の大同団結が続けざまに実現した。2020年6月、2つのサービスが始動する。1つが、トッパン・フォームズが運営する「AIRPOST」。個人ユーザーが自身の情報を事業者と共有できるサービスだ。もう1つは、NECが手掛ける「マルチバンク本人確認プラットフォーム」。本人同意の上で銀行が、KYC(Know Your Customer)済みの顧客情報を外部事業者と連携できる仕組みである。共通するのは、メガバンクなど主要な金融機関が参画する点だ。
これからFinTechがよりいっそう進む。
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